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ご存知ですか?「筋肉がロックする」という現象

更新日:2022年10月6日


体に起こる全ての現象には、必ず原因があります。もちろん筋肉が硬くなることも例外ではありません。


今回は、筋肉が硬くなる原因3つと一番知られていない原因「筋肉のロック」についてまとめていきます。

 

筋肉が硬くなる3つの原因


複数ある筋肉が硬くなる原因のうち、ここではその中から主なものを3つ取り上げます。


【筋肉が硬くなる原因3選】

1)老廃物の蓄積

2)エネルギー不足

3)筋肉の守る仕組み

 

老廃物の蓄積による筋肉の硬さ


いわゆる筋疲労が溜まった状態です。

運動やトレーニングの後、筋肉がパンパンになった経験がある方もいらっしゃるかと思います。


筋疲労は、一時的に疲労物質や老廃物などの代謝産物がたまることで筋肉が硬くなった状態です。


このタイプの硬さは、ゆっくりお風呂に入ったり、筋肉を休ませてあげると徐々に解消されていきます。マッサージや軽い有酸素運動も有効です。

 

エネルギー不足による筋肉の硬さ


私たちの体に変化が起きるときは、それがどんな変化であれ必ずエネルギーを必要とします。


筋肉は収縮して硬くなるときにはもちろん、硬く縮んだ状態から元に戻るときにもエネルギーを必要とします。


もし、そのエネルギーがうまく供給できていなかったら…?筋肉は伸びも縮みもしない状態でいるしかありません。


エネルギー不足の解消には、食べ物をしっかり消化吸収し、酸素と栄養を血液で全身に供給する循環が肝心です。

 

筋肉の守る仕組みによる筋肉の硬さ


筋肉には、「筋紡錘(きんぼうすい)」という、筋肉がどれくらいの速さでどのぐらい伸ばされているかを測るセンサーがあります。この筋紡錘にはもう一つ、筋肉が急激に伸ばされたり筋繊維に傷がつきそうな強い刺激が加わったときなどに「縮んで守れ!」という信号を出して筋肉を損傷から守る役割があります。


この仕組みがあるおかげで、様々な動きや姿勢をとったとしても日常的に筋繊維が断裂したり損傷してしまわずに済んでいます。


例えば、こんな経験はありませんか?


・熱々のやかんに誤って手が触れてしまったとき、とっさに指を引っ込める。

・ちょっとした段差につまづいたとき、思わず全身を強ばらせる。

・車で後ろからゴツンと衝突されたとき、前後に大きく振られながらも瞬時に全身を硬直させる。


全部、筋肉の守る仕組みのスイッチがONになっての反応です。

筋肉の守る仕組みのスイッチがONになると、「縮んで守れ!」と信号が出され、筋肉は反射的にものすごい速さで縮みます。


通常であれば、この守る仕組みはスイッチがONになった瞬間、即座に筋肉が反応し、その直後には元の状態に戻るものなのですが、特定の条件が揃うと守る仕組みのスイッチがONになったまま解除されず、「縮んで守れ!」の信号が筋肉に送り続けられるという現象が起きます。


この状態の筋肉のことを「筋肉のロック」と呼んでいます。


筋肉のロックと痛みのメカニズム

 

「筋肉のロック」を引き起こす「筋紡錘のずれ」


筋肉の守る仕組みのスイッチがONになった瞬間、筋肉はものすごい速さで反射的に縮みます。このとき、筋肉のセンサー 筋紡錘にわずかなずれが生じてしまうことがあります。


この筋紡錘のずれこそが「筋肉のロック」の正体です。


では、なぜ筋紡錘のずれが生じてしまうのでしょう?


この謎を解くには筋紡錘の仕組みを知る必要があります。

筋紡錘は、「錘外筋繊維(すいがいきんせんい)」=骨格筋の中に存在しています。そして、筋紡錘の中には「錘内筋繊維(すいないきんせんい)」と呼ばれる筋繊維があります。

筋紡錘は、伸ばされれば伸ばされるほどより強い信号を出します。逆に、たるむと信号が出なくなります。ただし、筋紡錘がたるんでしまうと筋肉のセンサーの役割を担えなくなるため、筋紡錘は常にある一定以上のテンションがかかっている必要があります。


筋紡錘のテンション調整を行うのが、「錘内筋繊維(すいないきんせんい)」

筋紡錘がたるむと、錘内筋繊維が縮み、それによって筋紡錘は一定のテンションを保つことができるようにつくられています。


筋肉の守る仕組みがONになったとき、特定の条件が揃うとこの錘内筋繊維が必要以上に縮んでしまい、筋紡錘のテンション調整が正常に働かず余計なテンションがかかります。そうすると筋紡錘は「負荷がかかっている」と誤認識をして、筋肉に「縮んで守れ!」という信号を出してしまうのです。


錘内筋繊維のずれがある以上は筋紡錘から縮めという信号がずっとループして出続けてしまうのです。


これが、筋肉がロック状態のときに筋肉で起きていることです。


そして、これら全てが筋肉にもともと備わる仕組みに沿って生じる現象ですが、ほぼ全くといっていいほど世間に知られていません。

 

筋肉のロックを解除するには


筋肉のロックを解除するのはとってもシンプルです。

筋紡錘や錘内筋繊維のずれを解消し、誤作動によりループして出続けている「縮んで守れ!」という信号が出ない状態をつくってあげたらOK。


先ほど挙げたように、筋紡錘は伸ばされれば伸ばされるほど信号が強くなり、たるめばたるむほど信号が出なくなる仕組みです。そして、筋紡錘のテンション調整は錘内筋繊維が縮むことで調整しています。


ということは、この2つがもうこれ以上縮めないというところまでたるませてあげたら一旦ずれがなくなり筋紡錘の信号がリセットされる…とイメージ湧きますでしょうか。


錘内筋繊維も筋紡錘もたるんだ状態をつくると、筋紡錘のテンション調整を行おうと錘内筋繊維は全力で縮もうとします。でも、錘内筋繊維がこれ以上縮むことができない範囲までたるませていれば錘内筋繊維がどんなに頑張っても筋紡錘はたるんだままです。


錘内筋繊維は最大限縮んでいる。同時に筋紡錘もたるんでいるので「縮んで守れ!」の信号が出ない状態。


この状態をつくってあげることができれば、PCやスマホを再起動するように誤作動でループしていた信号がリセットされます。つまり筋肉のロックが解除されます。

 

知られていないことで起こる負のループ


例えたり端折ったりで少しややこしい説明になってしまいました…!


要は「縮んで守れ!」の信号をリセットするには、筋肉を縮めてたるませると正常に戻るということです。


筋肉にとって最大のダメージは、筋繊維がちぎれることです。では、筋肉を伸ばすのと縮めてたるませるのだと、どちらが筋繊維がちぎれる可能性が高いでしょうか?言わずもがな、後者です。


筋肉のロックを解除するには、ガチガチに守り続けている筋肉にとって最も安全で一番負担のない状態をつくってあげればOKです。そうすれば、守る必要がなくなった筋肉は元の状態に戻ろうとします。


ただ、残念ながらここまで説明してきた内容はほぼ全く知られていません。


知られていないから筋肉のロックは手つかずのまま残ってしまう。だからこそ、筋肉のロックが原因で起きている痛みや不調は改善に向かわないまま長年過ごされている方が多いのです。


もし、今までいろいろ試してきたけど思うように痛みや不調が改善しなかったという方は、ぜひ一度、筋肉のロックを疑ってみてください。解決の糸口が見つかるかもしれません。

 

複数の原因に同時にアプローチする


硬くなった筋肉を本来の柔らかさに戻していくには、筋肉が硬くなる3つの原因に同時にアプローチする必要があります。


1)老廃物

2)エネルギー不足

3)筋肉の守る仕組み


もちろん、どれか一つの原因にアプローチをするだけでも変化はあります。


でも、手つかずの原因が残っている限り、筋肉の硬さやそれにより生じる不調はまたぶり返してしまうんです。


こんな経験はありませんか?


・一旦、柔らかくなったと思ったのにぶり返した

・施術を受けた直後はいいが、すぐ元に戻ってしまう

・ずっと続けていないと良い状態が持続しない


もし一つでも当てはまることがありましたら、ぜひ一度私たちの施術を体験してみてください。


筋肉のロックが原因で、痛みや不調の改善を足止めしてしまっているかもしれません。筋肉のロックを解除し、ガチガチに守り続けて動かなくなっている筋肉を、正常に働くしなやかな筋肉に戻してあげましょう。

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